つきのない日に
るるりら



新月 


  新月の夜 一つの石を 拾い上げる 
  波打ち際にいる者は他に誰もいない
  静かに拾い上げると遠い星の
  みたことのない惑星の記憶が めくるめく
  展開し拍動し地下鉄路線図のように開く
  路傍の石がダイヤよりも かがやく 
  つきのない日にこそ 瞬く
  暗がりでもわずかな光を乱反射させる
  また ダイヤのような日が やってくる  
  




Re:いま シャネルの五番街にいます

くもる かがみに ふるえる指文字は
「シャネルの五番街で まってます」
髪が かわくまでは
そよぐ水草
駿馬のたてがみ
まぶたのうちがわに またたくまに またたく星霜








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メビウスリング 二月の勉強会【アールデコ等】参加作品を改編したもの 二編


携帯写真+詩 つきのない日に Copyright るるりら 2015-03-12 15:03:01
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