独楽
ただのみきや

独り 楽しむ と記し
独楽(コマ) と読む

独り楽しむためには
独りで己を支えなければならない
独りで支えるためには
日々 回り続けなければならない

そして回り続けるためには
己の真中に通さなければならない
固い一本の「芯」を(「心」あるいは「信」かも)
少々尖ったところも必用だ


独り楽しむ者たちが集まると
侃々諤々 喧嘩ゴマ
( さて我らのいのち
 回転力は何処からきたものか )

「先祖代々伝えられた尊いもの
いのちはいのちを生み 受け継がれて往くものよ」

「いのちを与えるものは全能の神のみ
全ては神から発し 神によって成り 神に至るのだ」

「いやいやいのちは万物に宿るもの
生も死も 万物流転の呼吸に過ぎない」

「始まりは未知なる偶然 
あとは 我思う 故に我ありだ
生きるも回るも我が意思の為せること」

さあさ負けるな 
火花を散らせ!


やがて力は尽きて往く
軸が揺れ始める
像がぶれ始める
老いはかならず訪れる 
当たり前のことだ

そうしてある日
至極当たり前のことが起きる
大きく傾いて
倒れて それっきり
本当の色や紋様が明らかになる


( モウ一度 回リタイカ? )

「 イイヤ モウ 十分
 独リハ十分 楽シミマシタ 」




                《独楽:2015年2月20日》






自由詩 独楽 Copyright ただのみきや 2015-02-21 19:19:49縦
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