ブーバとキキ
itukamitaniji

ブーバとキキ

名前を与えよう 大きなお世話だと思うけど
体中レッテルだらけにして 放り出してしまえ
まるで見世物小屋みたいに 人々が集まって
君は君であることを 演じざるを得なくなった

誰かが幸せそうに いつも笑っていた
これで良いんだって 君は思うようになった

誰かに望まれて 生まれてきたんだよって
細胞の一つ一つに 丁寧に擦り込まれてゆく


名前を与えよう それがこの世で生きる決まりだから
過程は省略して 君が君で在るのだという
答えだけ与えて ほったらかしにしてしまえ
果てしない証明に 君自身が悩むシーンを並べると

それは長い映画になった 人生という題名の



名前を与えよう
ブーバは真ん丸い方
名前を与えよう
キキは尖っている方


自由詩 ブーバとキキ Copyright itukamitaniji 2015-01-11 16:07:01縦
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