水平線の濁りについて
いとう



鈍色に、はぐれて
まやかしの夢を見る
空の重さに耐え切れず
落下するものを/

(そは、ありなんや

/握り締めて
熱の、かけらに酔う

鈍色の、底
契るべきものなく
呼吸する夢から覚める
泥の濃さにしがみつき
微細に揺れる背中/

 さも、ありんすに)

/に/

(さわら、さわら、)

/触れる、境界



///やはらかなこえがしました
   それはきえていくすべてのものをだきしめ
   みづからもきえていくもののやうでした ///



(ざわら。ざわら。)




未詩・独白 水平線の濁りについて Copyright いとう 2005-02-02 00:13:03
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