苦いトラブル
藤鈴呼



春菊の ほろ苦さに
ホロリ 涙が流れて
いつか食べた ほろほろ鳥の丼を
思い出しながら
温かな 涙を 感じてる

春の菊と描くのに
何故に 苦味が 増して行くのでしょうと
問い詰める前に あなたは
煮詰まって しまったから
牛肉と 一緒に
食む食むするしか
脳が なくなって

能生と言う地域が 有るのです
少し 温泉街にも なっている部分や
山際のスキー場も おすすめなのですが
看板が ちょっと 面白くってね

携帯NO!
ここは能生 だなんて
韻を踏んでいる

いつだって 踏み締めたいのは
冬が 懐かしいと 思えるほどの 雪道で
なくなってしまえば
あんなに 苦しめられた 轍をも
忘れられるのに

三つのお面が 見えるのよ
能面 神楽 坂の途中で滑り落ち
ストックを 突き刺してしまった
たわけ! と 言われるような 角度で

どうして 板が 直角に 刺さるのかって
君は笑ったけれど

丼一杯の米粒に刺された 箸を思い出して
笑えなかったんだ
僕は ちっとも。


自由詩 苦いトラブル Copyright 藤鈴呼 2014-11-23 08:41:07
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