出会いの散歩道
クローバー



meと鳴く君のことを
追いかけてはいけなくて
つごうの良い、どこか、を僕は選択する
その先はきっと猫の世界
ただその先をじっとみている君の
その視線の先を僕もみている
世界に気付かれないように
そっと、さみしさ、を選択する
三人称にしかお互いなれなくて
視線の先の世界を二人称にして
お互いに顔をみることもなく
横向きのまま
聞こえていることに期待して
人差し指でも口の前に立てているかのように
音も立てずに口角を持ち上げる
ただ僕であろうとしても
ただ君であろうとしても
時間を同時に所有するあたたかさがあったような気がする
それがたとえ一方的な別れの最中であっても。


自由詩 出会いの散歩道 Copyright クローバー 2014-11-12 20:55:02
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