TRICKSTER
ただのみきや

サイドミラーに小さな蜘蛛
縁を歩けば一人
面を歩けば二人
奇妙なポーズ    
   虚空と戯れる長い脚
見えないイトで織りなす罠

偶然と必然の色分けは自分
幸福と不幸を計る分度器も
鋭角――痛み悲しみの先端よ
いったい幾つ集まれば円満の喜びに至るのか
すべてが筒抜けの空の下
西日がニヤリと覗き込む
達観したふり 
顏は伏せずに焼かれるまま

後悔はしない 
したくない 
そうやって生きて来て
ほとんど全てのことを後悔している

車は前へ進んで往く
おれはミラーを飽きもせず覗いている
遠ざかる景色 いよいよ小さくなり
記憶――真実と偽りの混合物は
バラのように萎れ
夕日のように爆ぜる

なのに
おまえだけは飄々
ひとりになったり
ふたりになったり
八つの腕で
    アブラカタブラ
見えないイトで何を企む

トリックスター
今日 おまえは味方
――たぶん
おまえだけが今日の味方





             《TRICKSTER:2014年11月5日》


              http://www.geocities.jp/izumikawauso/archetype/






自由詩 TRICKSTER Copyright ただのみきや 2014-11-05 19:20:38縦
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