散る
こしごえ

宙へむかって手をあわせる
なにをおもうということもない
ただ 手をあわせて
目をつむる
頭をすこし下げてあわせた手に額をくっつける

なぜか
なみだが出て来た
かなしくもないのに
沈黙したままの宙
顔をすこし上げて手を下げてから目をあけると
笑みを浮かべた花が
私を見つめていた
笑みをかえした私

さいごに帰るところは自然という家
その先はわからない
私のこころの大切な部分はどこか
まひしているのだろう
ありがとうございます
という言葉が
浮かび上がった
光に
照らされて濃くなる影が
やがて闇にとける時の
安心したまなざしに似て
終わることが出来る
実るために






自由詩 散る Copyright こしごえ 2014-11-01 15:48:42
notebook Home 戻る  過去 未来