ストリート
梅昆布茶

夜の旧山手通り

どこかの大使館の前
キャリーパミュパミュみたいな
自転車少女やハットできどった
ボーイズがとおりすぎる

夜の明治通り

花園神社からさきは闇だ
人種と性のごった煮を見たいなら
踏み込めばいい
ただし僕と友人のように
ぼったくられないように

夜の目黒通り

目黒税務署交差点前の
コリアン&イタリアン居酒屋
昭和そのままのガラス戸のむこう側
仄暗い電球のしたで
女将が売り上げ計算をしている
デリバリーもするようで
キャノピータイプの三輪バイク

たとえばイスタンブールのガラタ橋
名物であるサバサンド

僕はかつて友人であった
ムスタファやセダトから聴いた話で想像する

彼らはイスラム教徒であり
かつイランやアフガニスタン
クルド人との紛争の多い
ガジアンテップという東部山岳都市の市民

素通りする毎日
通りや土地
国土や風土はなにをもたらすのか

家の前の団地の外周道路

普遍というよりも
単調なものを基調に生きている

それでも考えることはあるのかもしれない

ひとは墓標をいつか忘れる
それでいいのだともおもう

永遠なんてたぶん
人間がかってにでっちあげたもの

でもちいさな灯をのぞみ
まもりつづける

僕はいつでもそれに

加担する側にありたいとおもうのだ









自由詩 ストリート Copyright 梅昆布茶 2014-10-30 01:47:31
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