October
itukamitaniji

October

少しずつ光は欠けていって 錆びた色の穴ぼこが残った
想像さえも追い付かない 途方もない物語を思った

相変わらずな毎日に紛れて ごまかすみたいに流れていく
だけど君がずっと遠くに 居るみたいに感じている

僕を乗せたイカダは 真っ暗な海へと滑り出した

新しい旅路の果てに 光を見つけられるかは分からないけど
ここが僕の始まりだったと 遠い未来の僕は懐かしく話すだろう


どんなに大きな声で歌っても 波の音に掻き消されてしまう
ラインにも乗れずに すぐにバラバラにされてしまった

それでも僕は黙らない この声が続く限り歌うしかない

例えばそれがたった一人であっても 誰かの耳に届くように
願わくば心に届くようにと あの頃の僕ならば言っただろう


少しずつ光は欠けていって 錆びた色の穴ぼこが残った
その穴ぼこにもう 新しい光が宿ろうとしている

生まれ変わらなくちゃ もう何度も使った言葉だけど
ここが僕の始まりだったと 遠い未来の僕は懐かしく話すだろう
その時隣に君が居たらって まだ馬鹿みたいに願ってる
諦めたくないんだって 懲りずに今の僕は思っている

それが今の僕の答えなんだと


自由詩 October Copyright itukamitaniji 2014-10-25 18:17:37
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