そよぎ
こしごえ

いずれおとずれる死の約束に
すべてを受けいれてくれる
無という希望をささやきながら
耳を通りすぎるそよ風は
どこまでも透けて影もなく
私の中を流れる血をさます

見れば
羊雲の雲影白く
いつかの私があそこにいる
秋の空
しんみりとほほえむ

いいかわるいか
そうではなく
そうでもなく
ありのままの
自分に感謝できるか
空気や水にもささえられ
お米のちいさなつぶつぶの集まりにも
ささえられている私は
宇宙に浮かぶ
ほのかにゆらぎ光る点である

そして
黄金色をした稲穂がそよぐ
田園の小川のせせらぎは
きらきらと歌い流れる
太古の声で
いつかのあなたは

そよそよと
出あい出あうことが出きました
しかしそう
いずれ別れると知っているが故に
かけがえのない存在と思う
あなたのおかげさま











自由詩 そよぎ Copyright こしごえ 2014-10-06 10:14:05縦
notebook Home 戻る  過去 未来