月は光る
こしごえ

ゆうがたの上弦の月を
散歩途中にみつめた
右半分の白さに
みちていく真っ直ぐな時をおもうと
裏切られても裏切られても
信じるということを
おしえてもらっている気がする
有り難いことにかわりはないのだから

そよ風が耳をなぜてゆく
わすれられない遠い希望を
うけついだ この体のなかに
今日も
あかい血が流れている
いずれおとずれる死のまえに

無事に ゆうがたをむかえることができた
暮れる日をみおくる
すこしある
雲に光が反射してごきげんようといっている
それきり日は
沈黙した
明日の今日に

それでもわたしの時はつづく
みずからの迷いにこたえをみつけて
すすむ
こころは
果てしなく
すがたをかえて
いまあなたがみている風光に
映るほほえみ
月は光る















自由詩 月は光る Copyright こしごえ 2014-09-13 20:36:40
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