煮詰められた腸
ただのみきや

人型サボテンは狂い咲き
愛人は血を流し過ぎたのだ
肌蹴た胸に呪詛めく黒子口移しで
器から器へと移動しながら
情熱は霧散して往く愛は
溶けないままで重く沈殿する 


裂く天つめたい銀河の余韻
懐に夜を包み隠し
その瞳に一万年前の星の光を宿した男が
昼間見ているものなど何もない
暴力的な光の洪水は
暴力的な世界に心を瞑らせる


おろし金の上つつましく
正座をしたあれは誰の諦めか
トランプを配る颯爽とした手つきで
日が捲られて往くわたしは
悪食なこの時空の舌先から全速力で逃げる
高邁な理想に囚われた蝸牛だ


風や音を見送ることしかできない
悲しみを知った人間と良く似ている
そして反対に
夢から覚めないまま笑ったまま
極彩色の地獄へ墜ちて往く
花火のような一団とも




    《煮詰められた腸:2014年9月10日》






自由詩 煮詰められた腸 Copyright ただのみきや 2014-09-10 22:09:46縦
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