待宵
朝焼彩茜色




   待宵の支度を重ねながら粋に古を覗く上向きに
   女の割合の多い その丸い姿に時に 男にも見える

   只の円

   人々に想いを凭れ拝まれ馳せられ 逃げたまま

   夜空に貼り付く

   只の円 宴を囲う輪っかに収まる月の俤 心の名残り

   身籠って以来 感じなくなった性別のない その円々放つ銀と黄金の
   息継ぎを 鈍さの神経を呼び戻す待宵


   貴女と貴殿を何度も輪廻落ち その輪っかの軌道の揺れで銀と黄金の
   粉が降って来る待宵

   円の縁にしか立っていられない臆病な恋心を語り継ぐのでしょうか・・・
   
   只 月が綺麗なだけの魔訶不思議さを きっとまた

   繙こうとしてしまう 待宵

   


自由詩 待宵 Copyright 朝焼彩茜色 2014-09-06 22:45:07
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