右と左
ただのみきや

お岩さんを知っているでしょう
そう四谷怪談のひろいん
江戸時代
牡丹燈籠のお露さんと
番町皿屋敷のお菊さんと
三人で結成した
納涼しすたーず
せんたーでうらめしやをしていた
あのお岩さんです
(僕は本当はお露さんのふぁんなんだけど)
お岩さんて
三人の中でも顏力なんばーわんなんですけど
顏の右側はきれいなままで
顏の左側だけがぐっちゃり醜いんですよ
だからもし
四谷怪談を知らない人が
右だけ見たり
左だけ見たりしたなら
お岩さんに対する評価や好感度は
きっと真逆になるのでしょうね
だけど日本人なら
かの四谷怪談
知らない人などいるはずもありません
それはなんと恐ろしい物語でしょう
それはなんと悲しい物語でしょう
一つの殺意はやがて
終わることのない怨念を生んだのです
そして
日本人なら知っているはずなんですが
怪談よりも遥かに恐ろしい
遥かに悲しい
未だ怨念燻り続けるものがあることを
右から見ても結構ですから
左から見ても結構ですから
あれだけは二度と繰り返さないようにと
つくづく想う
そんな今日なら良いのですが



          《右と左:2014年8月15日》







自由詩 右と左 Copyright ただのみきや 2014-08-15 23:18:04縦
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