「ストロベリーキャンディーの心臓」
桐ヶ谷忍

たとえばこのストロベリーキャンディーが
私の心臓だと言ったら
あなたは口に含んで舐めて溶かして
身体の一部にしてくれるだろうか
それとも捨ててしまうだろうか

甘く感じてくれて
最後は噛み砕いて飲み込んでくれるか
包み袋すら
破いてはくれないか

ふたつにひとつなんだ
きっとそんなもんなんだ

ねえこれが私の心臓だとしたら、と言って
あなたに差し出してみたい


自由詩 「ストロベリーキャンディーの心臓」 Copyright 桐ヶ谷忍 2014-08-12 19:40:27
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