初体験
馬野ミキ

17歳
パンクロッカーでありながら童貞であることを恥じていた俺は
女性器に対する不安と恐れがあった
物心ついた時から空想がちだった自分にとって女性器は現実そのものであった
政治や社会よりも避けて通りたい現実・・
当時土木作業員として13000円の日給をもらってて仕事帰りに
池袋の西口のファッションヘルスに行った
少し酒を飲んでいった
十代の頃につきあった女性とはSEXを避けていたし長続きしなかった
おままごとだったと思う
彼氏彼女ごっこ
好きかどうかさえ分かっていないような・・

初体験はキツネ目の女であった
まったく好みではなかった
俺はそんなに気持ち良くなかったが「気持ちいい」と言った
癖になるわよと女性は言った
ゴムをして2,3秒で出た
お金を払ってどうしてこんなにさみしい想いをしなくちゃならないのか
ふらふらとロサ会館辺りをうろつき
チェーン店の居酒屋のカウンターで1人で飲んだ
大学生のようなものが騒いでいた
あの頃からずっと、大学生のようなものが騒いでいることが嫌いである。


自由詩 初体験 Copyright 馬野ミキ 2014-08-07 09:25:48
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