街角
織部桐二郎
電車通りの雨あがり
スイートピイの茶亭いで
若きびおろん弾きひとり
舗道にスウベニイルなり
少年少女手をとりて
頬紅らめてをづをづと
きき入るスウベニイルかな
びおろん弾きの夢心地
電車も過ぎて節終はり
次ひでグノオがアベ・マリヤ
折しもパアドレさまとおる
「神に感謝 よい子どもたち」
びおろん弾きは一礼なして
茶亭にいこはんとぞなせり
子らふたり心のかぎり
「ありがとうお礼をなにか」
「あなたたちきいてくれたね
それでいい 僕の魂
いつか維納に留学だ」
電車に画家がありました
自由詩
街角
Copyright
織部桐二郎
2014-07-15 03:12:31