プラスチック・プリズム
ゆうと



うつくしいことばがのみこめない
ぼくらはもうほんものじゃなくなったというのに
まだわらえないでいる

とうめいなゆびがぼくにささったことをきみはしらない
ぱらぱらとふるあめ、このまま、ずっとこのままならいいとおもった

すきだったきいろいじてんしゃとさよならしたとき、
なんともなくひらたいきもちだった
ざんこくだときづくのにすこしじかんがかかりすぎたかもしれない

きらきらしているしずく
まいちるいろ
うつくしすぎるえのまえではただただことばをうしなう

ぼくらはもうほんものじゃなくなったというのに
まだわらえないでいる
まだなくこともできずに
まだわすれられないでいる

まぼろしがえいえんとつづくように
いのるように
めをとじる
まっくろにぬりつぶされた
きみのみらいに、さちあれと
ねがいながら

ぼくはしぬよ




自由詩 プラスチック・プリズム Copyright ゆうと 2014-07-05 16:39:50縦
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