屋根裏
そらの珊瑚
とても狭くて
天井が低いから
うっかりすると頭をぶつけてしまう
夏は暑いし
冬は寒いし
もう使わないのに
捨てられないベビーベッドとか
読まれたがっている本たちに
囲まれて思う
一生かかっても
たぶんこの本たちは
読みきれないだろうし
知らないでいることのほうが
人生では格段に多い
たとえ全てを知ることが可能だとしても
それにどんな意味があるのだろう
知っていることといえば
赤ちゃんはいつのまにかいなくなってしまうこと
楽園ではないれど
ここが
この家の中でどこよりも一番
空に近い部屋
星に近い場所
だということ