屋根裏
そらの珊瑚

とても狭くて
天井が低いから
うっかりすると頭をぶつけてしまう
夏は暑いし
冬は寒いし
もう使わないのに
捨てられないベビーベッドとか
読まれたがっている本たちに
囲まれて思う
一生かかっても
たぶんこの本たちは
読みきれないだろうし
知らないでいることのほうが
人生では格段に多い
たとえ全てを知ることが可能だとしても
それにどんな意味があるのだろう

知っていることといえば
赤ちゃんはいつのまにかいなくなってしまうこと
楽園ではないれど
ここが
この家の中でどこよりも一番
空に近い部屋
星に近い場所
だということ


自由詩 屋根裏 Copyright そらの珊瑚 2014-05-07 16:15:59
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