真昼の夢に
橘あまね
痛みのない世界の
封を切れば風は青白くふいて
ビルの合間を見つけては
切先をくねらせる
光がこぼれるまで
誰も空を見つめないから
ちいさな浄罪として
足元に種をまいても
温度はなく
ひびわれた夢の中と同じに
風は青白く澄んでいる
自由詩
真昼の夢に
Copyright
橘あまね
2014-05-03 12:42:21