衣替え
そらの珊瑚

洗いすぎて
ごわりとした
ネルの小さなパジャマ
ふたつめのボタンだけ
なぜか赤い糸で
不器用にくくられている
夜泣きのたびに
私にしがみついた
熱を帯びた袖
黄色いライオンの模様
柔らかだった
起毛の肌触りを
覚えている 私の
手の感傷が
今年も捨てられないと
すがる
もう誰も
必要としていないものだというのに

白い糸をさがす暇さえ
惜しんで
抱きしめているだけで幸福だったよ






自由詩 衣替え Copyright そらの珊瑚 2014-05-02 09:25:49縦
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