21℃ 31% 4m/s
nonya


鳩尾を透過していく
風のライオン
たてがみの感触に
背中が粟立つ

睫毛を蹴って逃げ出す
光のインパラ
ボンネットを飛び移る
逃げ足が眩しい

舗道に投げ出された
影のアミメキリン
潤んだ首の輪郭が
滑らかに伸びていく

次から次へと飛び立つ
声のフラミンゴ
楽しげなア行の羽音が
語らいの五線譜を彩る

さざめく季節の真ん中を
目を細くして
頬を柔らかくして
こっそり祝福しながら

舟のホモサピエンスは
のったりと流されていく
なすすべもなく流されていく

おそらく
未来の西側へ向かって




自由詩 21℃ 31% 4m/s Copyright nonya 2014-04-24 21:10:05
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