小草
織部桐二郎

もとほりて街の片すみ
小草生ふ緑萌えつつ
冬すぎて歓びうたふ
木の下の命なるなり


われ座して見詰め入りなば
刻ごとに色変へなせり
名も知らずただ見入りたり
小草いま春の光に



街頭はにぎはひつつも
われひとり小草にかたる
秘めしことふと残したり



時すぎてわれ去りたりき
家路きて夕べのころや
心なる小草が命


自由詩 小草 Copyright 織部桐二郎 2014-03-27 07:36:52
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