かなしみのかたち
草野春心
栗色のひとみが
風にさらされている
窓のきわ、沈みゆく陽はとおく
きょう、
なにもいえなかった
だからたぶん、あしたも
きみになにもいえない
膝掛けのうえで小さく組まれた
二つの手、その形が、細かに変わっていく
あたたかいスープを作る
カレンダーの数字をつぶす
きみの
かなしみの形を、少しでも
みなれたものに変えることができたら
自由詩
かなしみのかたち
Copyright
草野春心
2014-03-12 14:44:48縦