ありふれた日常
チアーヌ

今日もわたしの手足は冷たい
だからお風呂に入ります
するとわたしの肌は乾燥して
ぴきぴきとひび割れを起こす
だからクリームを塗ります
そして靴下を履いて
布団に入ります
布団は布団乾燥機をかけないと
まるでフェルトのようにぺっしゃんこ
そろそろ買い換えなくちゃと思いながら
今日も眠りに落ちます
見る夢は途切れ途切れ
夢を見て起きた瞬間は
自分がどこにいるのかわからなくなることが
たまにあります
こうやって人は段々自分を失ってゆくのかと
たまに思います
たまにです
しばらく前に
老人ホームで歌を歌ったら
泣いてしまったおばあちゃんがいました
感情が動くのは
良いことなのでしょうか
何も感じないより
感じたほうが良いのでしょうか
たまにわからなくなります
たまにです
ぼんやり途切れ途切れに
いろんなことを思います
いろんなことを思い出します
わたしの日常は
わたしの前を流れて行きます
わたしは今日もごはんを作ります


自由詩 ありふれた日常 Copyright チアーヌ 2005-01-17 21:24:21
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