流れる
梅昆布茶
あの草原のうえに浮かんだ雲はいまもかわらない
風はやわらかな吐息とともに春をはこんでくる
春待ち鳥は歌声を整えてこぼれる季節にそなえる
翻弄されながらもまた花びらとなって流れてゆく
ひとの心とはそんなものだ
根が腐らなければたぶん僕らは生きてゆけるのだ
芽吹く命を愛おしむ
過ぎてゆくものに別れを惜しむ
変わってゆくことを畏れてはいられない
それなしには再生も無いのが理なのだから
あの日も緩やかに季節を押してゆく力を感じていた
それは心を動かす力に似て言葉にし難いものだが
そんなものに生かされていることに気づくことで
ほっとする自分がいるのだ
力んでもしょうがないんだと言い聞かせ
また季節にまかせて生きてゆく
いつもそれと一緒に在るように
緩やかに変化してゆくものに限りなく
近づきたいと想うのだ
自由詩
流れる
Copyright
梅昆布茶
2014-02-28 18:34:21