眼から涙が
あおば

            140221


目からではなく
眼から
なんでだようと神様が口を尖らせる
漢字変換機能が眼を選んだのです
私の恣意的な意図ではありません
神様の思し召しと思っております
恭しく応える私に向かい
神様はなんにも言わずに気配を残す
涙が出るのは目あるいは眼からに決まっているのだから
省略してもいいのだよと優等生
奴には母親が必要ないくらいに論理的に生きているのだから
私には対峙することが出来ません
グローブのような手が飛んできて顔面を一張り
父の夢を見過ぎたのかも知れない
父は子どもには手を挙げる人ではなかった
ましてや母にも誰にも手を挙げたりしなかったと信じたい
めからなみだがでて夕暮れが滲んでゆく
衣替えの季節を迎えたというのに
傍若無人に自転車を乗り回す人達に悩まされている
滲んだ景色に色が付いて虹のようにも見えることがある
回転する方が抵抗が少ないとボールベアリングを使う
ボールが割れることなんてあるものかと思っていたら
今でも割れる粗悪品が使われている自転車もあり
修理代(交換ベアリング部品代も含む)が1万6千円かかるから
止めた方がよいでしょうと自転車店の主
ベアリングの価格だけならいくらも掛からないからと言い張る私に
いっても無駄ねと笑顔を向ける
眼から涙が出る人種には何を言っても無駄だと思っているのかも知れない
神様の顕現だと言い張る人も居て衣替えの季節は鮮やかになってゆく


自由詩 眼から涙が Copyright あおば 2014-02-21 20:27:18
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