この冬この雪
朝焼彩茜色

この冬 市内に雪は降っていない
睡眠中 姿を見せたかもしれない

長年 南の島にいたので この冬も雪を見たい
私の心ばかり銀白が赴いてくる
輝く空気は 銀白は表とは裏腹に 暖かい

この冬がやがて終わる
またさよならを丁寧に 告げる私の白い息
冬も愛して止まない 輝く空気は暖かく春に交じる

この冬 雪になれない小雨が続く
真夜中 結晶は煌びやかに踊りあかし 余韻を今朝まで感じさせた
この雪 精一杯の贈り物 銀白への入り口
私がただ幻想遊びをするのではなく
入り口は この冬にさよならを丁寧にする約束の門

また巡る一粒の冬 命に似た結晶が見える

この雪 控えめに市内にも姿を見せた


自由詩 この冬この雪 Copyright 朝焼彩茜色 2014-02-11 15:07:39
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