丘をのぼる
梅昆布茶

丘をのぼってまたひとりになったならそこには
すがすがしい空気の夕暮れが凛としてあるのだ

街の喧騒が遠くでささやくように聞こえても
揺るがずにきちんとたたずんでいるものに逢いたかった

自嘲の貼り付いた安っぽい心根を捨てるにふさわしい場所だ
だれもひとりでは生きられないがけれども
おなじ生をいきることもできない

寸分違わぬ愛があるなら採寸者を呼んで型をとらせ
世界中に複製を蔓延させようかそれとも

ここからみえる窓のひとつひとつの
すべてのこころに灯がともるように
夕暮れの丘から街を望む自分でいようとおもう


自由詩 丘をのぼる Copyright 梅昆布茶 2014-02-06 23:27:55
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