私利私欲の独裁者に対抗する抑止力
ただのみきや

ピョンヤンの街が日を跨ぐ頃
乾いた靴音で少し先を行く
女 ロシア人だろうか
街灯に照らされて
骨盤で風を切る
右に左に揺れている
おしり 
尻視欲 と 抑止力
激しい激しい
せ・め・ぎ・合・い

(あぁ! 十二時の鐘の音が…… )

妄想の魔法が解けたなら
ジキルの薬でもうひとっ飛びだ
抑止力は欲詩力へと姿を変えて
知り詩欲の読砕者に対抗するのだ
専守防衛だと舐められる
でももっと舐めて欲しいから挑発してみるのも悪くない

(やっぱり難しい二字熟語をたわわに生らせてほしいのかい
(死ぬとか殺すとか殺されたとかいっぱい入れてほしいのかい
(コンナフウニひらがなとカタカナがコうゴにハいッたリとカ
(やっぱり政治家とか神様の悪口を言ってほしいのかい)
(実話はハッピーじゃないほうが共感しやすいのかい)

もっともっと責めちゃおう

「ほーら欲しいなら欲しいと言ってごらん
 もっとオ○マトペが欲しいと言ってごらん
 オ○マトペでいっぱいにして欲しいんだろう
 句読点なしで 直に 空白もないほどいっぱいに…… 」

 むにょーんむにょーんフワリフワリがたごとがたごとモジャモジャ
 ズダララズダララるるるるるるるギャギャッギギギャギャーべちゃ
 でろりんでろんグジャリグジャリしゅらしゅしゅどっどどどどうど
 チロリンチロンぴったんぺたんグワシグワぬらーりくらーりロロロ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ
 ぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅぱみゅ

 どうだ 何を想像した
 廃ビルの七階から脱糞される黒い機関車か
 稲刈りをする少年の瞳に降りたアオサギか
 祈らない春のあかい噴水に溺れる花嫁か
 そうじゃないだろう
 知っているぞ おまえが思い浮かべたものを?

確かな抑止力の働きに
「そして誰も読まなくなった」
ミステリーの女王に対抗する
ヒステリーの抒情
クランベリーの赤いパイ
船べりの白い灰
眠る文字


    《私利私欲の独裁者に対抗する抑止力:2014年1月26日》






自由詩 私利私欲の独裁者に対抗する抑止力 Copyright ただのみきや 2014-01-26 13:13:53
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