春の回転木馬
梅昆布茶

そらを飛んだ夢を見た
僕は足のない回転木馬

南京錠を閉め忘れたまま
春の沙漠を放浪している

木の芽の匂い持ち歩くための
ポケットのある素敵な上着

おたまじゃくしを捕まえたら
おまけについてきた黄色いたんぽぽ

上京すると言ったまま
北極のオーロラの服を着て帰ってきた夏

町内星掃委員のバッジをつけて
土星の輪を掃くほうき星

じゃんけんで負け続けたことがくやしくて
つい使ってしまった三本目の腕
              
骨だけになった君を可愛く復元するには
おそらく何世紀もかかりそうだ

星をつなげていたらいつのまにか
となりに寝そべっていたスフィンクス

壊れた時計のじかんをみれば
そこには永遠という針がありました


短歌 春の回転木馬 Copyright 梅昆布茶 2014-01-21 20:49:33
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