Lucy

渇いた湖底を
掠め
渦巻き
通過していく
そんな
低温の吹雪を

窓には無数のひび割れに似た
しばれ模様が張り付いて
空気中の水分は
耳にも
皮膚にも
触れない
喉も乾かしてしまう

曖昧で
無惨で
しばれ模様のガラスのように
ひび割れた瞳で
映るもののいっさいを
改ざんした
記憶の洞窟の中を
吹きぬけていけ
粉雪






自由詩Copyright Lucy 2013-12-17 22:50:16縦
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