残響
itukamitaniji

残響

さようなら しばしのお別れさ
吐き出した祈りは 冬空に白く漂って
すぐに消えた 手を振る暇もないうちに
果てしない景色の 彼方へと羽ばたいていった

この熱が まだ残っているうちに
届いて欲しい この旅路の何処かで凍える僕へと

行き止まってしまったって 立ちつくす体が一つ
空っぽになった心に 懐かしい声が響く
それは遠い過去に 忘れられたタイムカプセルみたいに
「忘れていたのかい? ならば何度も思い出せばいいさ」


さようなら しばしのお別れさ
希望に満ちた歌は 春空へと舞い上がって
すぐに消えた 手を振る暇もないうちに
延長線上の 彼方へと羽ばたいていった

覚えているよ 自分がたどった道くらい
必ず届けるよ この旅路の何処かで迷える僕へと

地図にない道に迷って 疲れ果てた体が一つ
変わり続けた心に 変わらない声が響く
それは近い未来からの 時を越えた手紙みたいに
「ここまで来れるさ 僕が言うんだ、間違いないだろ」


過去からの僕の声 未来からの僕の声
ずっと残っている ずっと響いている
過去からの君の声 未来からの君の声
いつだって君を救うのは 誰かのじゃない

時を越えてやってきた 君の声だ


自由詩 残響 Copyright itukamitaniji 2013-11-15 01:05:20
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