あの街へかえろう
梅昆布茶

ちょっと薄汚れて古い街だが愛着もある
あの街へかえろう

鑑別所から卓也もかえってきたし
住むところとこれからの仕事をなんとかしないとならない

さんざん迷惑をかけたその当事者が俺だなんて
気もつかずに他人事のようにきいていたさ

馬鹿が百年たって治るものなら
それまで長生きしようとも思ったぐらいだ

いきがって世の中が渡れるならそれもいいだろう

たぶん俺はえらばない
だってもうちょっとは利口になれたらいいと思っているんだ

ひとと渡り合おうとかはもうおもわないし
ひとを傷つけるのもいやだ

美辞麗句なんてはじめからいらないさ
俺のあたまでわかる一言がほしかっただけ

チンピラだって多少の恩儀は感じるもの
ただやさぐれてはいないさ

あの街が俺をまっててくれるかどうかはわからない
まあ口の悪くて気の置けない仲間がいることは確かだ

まあいいさそれは前置きで

でもこの後を描くとたぶん冗長すぎて顰蹙をかうので
予想通りに割愛する

最後にひとこと

もう俺は戦いをえらばない

馬鹿なりに思っているんだ

限りない包摂を

おふくろあんまり心配スンナよな

俺はこんなもんではくたばらないから







自由詩 あの街へかえろう Copyright 梅昆布茶 2013-11-14 16:01:56
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