セッド シー
salco

思い描いた未来なんて
無意味なまぼろし
窓のガラスに描いた夢
流れ去って行く雲を数えて
惰眠を貪っている内に
ひとり丘に取り残されて
春かと思っていたのに
秋風が立っている

私を育てて来た過去は
消え去った世界
苔むした墓石
思い出を一つずつ取り出して
陽に輝かせている内に
ひとり夜の浜に立っていて
足首を洗っていた波が
胸の上まで満ちていた


自由詩 セッド シー Copyright salco 2013-11-05 23:13:36縦
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