螺旋階段
Lucy

螺旋階段を下りて行った
ぐるぐる
ねじれる記憶を
拾ってきたの
遠いこだわりを
大事そうに抱えて
あなたは私を指さして
「あなたが私を傷つけた」という
そうだったかしら
身に覚えがない
と言ってみても
それは誤解だと
釈明しようにも
確たる証拠は
どこにもない
あなたと私の
ともにおぼつかない記憶同士が
衝突して
少しづつ欠けて
飛び退くばかり
螺旋階段を上りましょうよ
階下のフロアも幻なら
上の階に在るはずの
明るい窓も
ただの妄想
古い手すりが腐っていて
まっすぐ私が
落ちたとしても
それがあなたの
願いでも
私たちもう
戻れないのよ
女学生になんか





自由詩 螺旋階段 Copyright Lucy 2013-11-02 09:34:10
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