ひとかき ひとけり
夏美かをる

ひとかき
ひとけり
その分だけ進む

ひとかき
ひとけり
私の力の分だけ進む

ひとかき
ひとけり
私が今出せる力の分だけ進む
それ以上でも
それ以下でもなく

しなやかで強かった頃より
余計に
ひとかき
ひとけり

そうすれば
着実に近づいてくる
あの時と同じゴール

少し時間が掛かるだけなんだ
何も問題ないではないか!
ストップウォッチを持って
待ち構えているコーチはもういないのだし

ひとかき
ひとけり
腕が動いて
足が動いて
思い切り息を吸って

もう一度
ひとかき
ひとけり
まだ進める力が私には残っている

何も問題ないではないか!
昨日までの私は
一体何を諦めようとしていたのだろう?


自由詩 ひとかき ひとけり Copyright 夏美かをる 2013-10-28 02:49:02縦
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