白紙
itukamitaniji

白紙

白紙のまま積み上がった 宿題もそっちのけで
窓の外にずっと続いている 空を眺めていた
あの空を生み出せる 色の配合を考えてみた
それはきっと名前のない 似ているようで二つとない色

ノートの端から端まで 縦横無尽に配置された
真っ黒よりは薄い色 それぞれに意味を与えられて
殺風景なそのページに 彼女は赤や青を付け加える
それはほんのささやかな 唯一の反抗だった

未来という白紙のページには どんな色が似合うだろう
最初の一筆は勇気が必要か 君は立ちすくんでいた


舞台の上から お経みたいな話は続いていた
空を眺めるのは飽きて 今度は旅に出ることにした
それは瞼の裏側にあった 少しずつ遠ざかってゆく声
私は名前のない旅人 教室に居ながらひとりぼっちだ

子供と大人の境目は いつになったら飛び越えるのだろう?
そんな難しいこと考える暇があるなら 今は精一杯笑え!

頭に衝撃が走った 誰かの手のひらが降り下ろされて
君は帰ってきた 短くて長かった旅の世界から


未来という白紙のページには どんな色が似合うだろう
最初の一筆は今 震える君の手から生み出されようとしている
それはまだ弱々しくて 定まらずに曲がりくねっていて
でもいつかそれはそれで 味があるねって笑い飛ばせるよ


自由詩 白紙 Copyright itukamitaniji 2013-10-26 02:23:50
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