三日月
Lucy

駅へ降り立った時
まだ空は青みを帯びていた
ちょっと買い物をした隙に
すでにとっぷりと暮れている
荷物を提げて
街灯が薄く照らし出す歩道を急ぐ
呼ばれた気がして
見上げると
鎌のように鋭くおおきな三日月が
左上空でギラリと光った
植物の発するただならぬ
強い匂いを感じて右の
草むらへ眼をやると
切られた樹木が暗い空き地に
倒れていた



自由詩 三日月 Copyright Lucy 2013-10-14 15:34:05縦
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