時間の重さ
梅昆布茶


雛菊をみていた
毛氈のような緑に
ところどころ陽に照り映えてある白

海をおもいだしていた
流木の漂白された肌が
曇天に無色をそえる

時間の重さをはかる
手のひらの中の一握りの砂と
バランスをとっている質量

魂があるならその在り処をさがしてみる
思いつく限りの言葉をなげかけて
そして回答する誰も
いやしないことに気づく

孤独であることが原点だと
言い切ったひとの強さをおもう
その言葉に実感のない自分が
どれほどをひとに語れるものかを

夏をおもいだしてみる
木漏れ日にふちどられた
それらの日々に誰と過ごしていたのか
わかちあえたものとそうでないもの

取り替えることのできない時間の順序を
いまさらに自分のいろで塗る

雛菊をみている
それは野の髪飾りのように
風に揺れる白









自由詩 時間の重さ Copyright 梅昆布茶 2013-10-10 22:08:12
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