まっすぐ
そらの珊瑚

まっすぐに
引けたためしがない
まっすぐに似た線なら書けるのに
フリーハンドで書く
まっすぐは
ほんの少し曲がっている
骨が湾曲している
私のなかに
直線がない
失ったわけではなく
もともと持っていなかった
夏によって溶かされた
線路が歪めば
電車は脱線するのに
秋になっても
私はそんな道を歩いている

正しい丸を
描けたためしがない
この世は
丸に似た
いびつなしゃぼんにあふれている

幸せに似た 幸せがここにある
私に似た わたしがほほ笑む



自由詩 まっすぐ Copyright そらの珊瑚 2013-10-07 10:36:08
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