きこえない、ふり
あおば

                 131001




きこえますか
きこえません
両耳塞がれていて
聞こえません
両手も塞がってますから
外界の様子はうっすらと目に見えるだけ
それならばと
怪力振るって邪魔な巨岩を取り除く
根っ子からバンという音がして
まっぷたつ
醜くも厳しく断面を晒してる。

自動延長手続きがなされておりませんから
今までのことは無かったことになります
僅かな保険金に嬉しがり
うちょうてんになっていたすぐあとでのならくのそこのきびしさに
こえにならない
わたしのひめいがきこえますか
聞こえません
きびしいげんじつにとりすがって
鳴いた。






初出 「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)
  http://anapai.com/tanpatsu/goru/
  タイトルは、かいぶつさん。




自由詩 きこえない、ふり Copyright あおば 2013-10-01 22:47:15
notebook Home 戻る  過去 未来