個人的な風葬地帯
ねことら




シンプルに濁点をひろう
歩幅は正確に保ったままで
ぼくたちにはちいさな物語しかない
そうしたフレーズには語弊があって
信号に、プロミスの看板に、防空壕に
わらいながら灰色の花をかざりつける



間期/工管/感光/工期
カーキ色にクラッシュしたあるいは晴天のセックス
二重ガラスの部屋の中で
つみあげる透明な塔
病院の用紙に落書きしたドラえもん
(日付のない(リ・コピー
ケロイドに塗るトマトジュース
(塩分入りの(リ・コピー




一年を四つに割れば今日はシュウブンの日ってNHKか読売でいってた、昼と夜が互いにひとしくて、いちばん正確に今を割り切れる日だね、せかいじゅうのひとをはんぶんにわけて、昼チームの人と夜チームの人ではんぶんずつ今を分け合って、互いに昼のくうきと夜のくうきを雪合戦みたいになげあうの、負けたほうが金輪際しにたえて勝ったほうのリ・コピーとして生きていくの、わたしは夜チームに入れるけれど、きみならどうする?




ミニマムに制御した愛があふれても
すべては地球規模のつくりごと
何度目かのリ・コピー



きみは、キーレスのドアを背に
澄んだみずたまりへ軽石をうかべる
ぼくたちの歩幅のために
どこまでもつづくからっぽの余暇のために













自由詩 個人的な風葬地帯 Copyright ねことら 2013-09-23 18:14:51
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