昼下がりの意地っ張り
あおば

                   130920
先輩の意地が後輩を外側に吹っ飛ばすのだと
評論家は結論づけた
ひ弱な先輩が
頑健な後輩と対峙したら
どんなに意地があっても
どんなに卑怯な手を使っても
そのうち外側に吹っ飛ばされてしまうだろう
吹っ飛ばされてからが人生さと
何処かで聞いた文句を連ね
各駅停車が急行に抜かれていく
その後にも
特急が2本続き
やっと走り出した途端に
下車駅に着いた
バスは発車した後で
30分待たねばならぬ
雨が降ってきたし
何処かで一服したいと思ったが
電池切れ
道行く人は他人のことなんか気にもしないでスマホ画面に住んでいるかのようだ
この辺りで休憩の出来るお店はありませんかと
尋ねられる人が居ないので
困ってしまう
タクシーに乗り
目的地に行くという考えは除外する
救急車に乗るのとタクシーに乗るのとどちらが精神的に負担になるかといえば
もちろん其れは救急車
しからばどちらが懐に厳しく応えるかと言えば其れはタクシー
社会的な負担はあれど
個人的な負担のない救急車が走って行くピーポーの警報音を
少しだけ羨ましく感じる先輩も後輩も居ない電池切れの昼下がり
訪れた病院のカフェテリアの食事がとても美味しかったと言ったら
美食家からは笑われたけど
負け惜しみではなく事実です


自由詩 昼下がりの意地っ張り Copyright あおば 2013-09-20 17:39:04
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