梅昆布茶

僕は世界に愛されているのだろうか ずっと不安だった
母の瞳の中に 僕はいたのだろうか そしてあなたの瞳のなかに

それらは僕の生を映す鏡 だからずっとみつめていたかったのだ
おなじものをおなじように感じたかった

マス・コミュニケーションなんていらない
ただそのパーソナル・コミュニケーションさえあれば
じゅうぶんに生きていけると思ったんだ

光りは散り散りに反射して 僕を惑わせる
僕の深いところから甦る童話を繰り返し繰り返し
話し続けていたかった そう僕の無意識の領域について

テレビの画面には決して映らない物語を聴かして欲しかったんだ
君の鏡に映る空や風や深い森や湖の神話を

インターネットや映像にのらない でも僕を震わせ続けてきたもの
いつかその澄んだ鏡の木漏れ日の午後を
不思議な気持ちで一緒に 散歩してみたいんだ


自由詩Copyright 梅昆布茶 2013-08-26 22:51:28
notebook Home 戻る  過去 未来