DOLPHINS
カワグチタケシ


海岸線から見上げる丘の東屋には
大きなオレンジの実がなっていて
僕らはいつでもそこに行けるんだ

貝だらけのビーチに一人こしかけ
波にたわむれる君びしょぬれの犬
西の入り江に沈むオレンジの太陽

夕日を背に笑う僕らはいつの日か
この光景を思い出すそして忘れる
多分ある確かささえ持ってそれを

だんだんと色褪せていくネイビー
ドルフィンズそしてドルフィンズ
闇にまぎれてく波頭の沫になって

ボックスシートにふたりならんで
流れていくブルーをながめていた
夏のままでいたかったいつまでも

そして別のブルー深い深いブルー
パーム・ツリーの並木道を歩いて
もう一度あのブルーを探しに行く

 


自由詩 DOLPHINS Copyright カワグチタケシ 2013-08-21 00:15:23
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