錬金術一線を吊る
朝焼彩茜色

真昼傾き 首も傾き
燃え上がる厚かましい温度 脳の涼みが分泌されない

真昼空にカモフラージュされて泳ぐ満月
昨夜はフラスコの中の液体を気体を 雇ってもいない錬金術師が
徐に首傾げ こっちを見ていたんだ
漸く固体ができあがるらしい 私のレンズを割りながら裸眼に刺してくる

なあ月よ 我利の重い馳せられる気持ちは どうなんだい
なあ月よ 願掛けされる重さは どうなんだい

風雅に佇む 上も下も然り 魅かれ
時に真剣に引いてもいい 吊れてゆけ 未知を知るためなら人魚にだってなるよ

昨夜から阿呆な錬金術師が 私の舌打ちを欲しがっているんだ
私を人魚に変えてくれるなら 未知を知り得るなら
私を吊れ なあ月よ

裸眼で三重にも四重にも揺れる フラスコと同様に得体の知れない霊薬混じり・・・・・

しかり本拠地に吊れていくんだよ
次の満月まで待てないから

遠慮なく鳩尾に針を掛けて吊るんだよ・・・・


自由詩 錬金術一線を吊る Copyright 朝焼彩茜色 2013-08-20 13:34:00
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