錬金術一線を掘る
朝焼彩茜色

錬金術者が月面裏に潜んでいるのが 映っている
巧みに調合をさせた 得体の想像に皺の夜 眉間
悩み試案の中のフラスコと月中枢 
媚薬を小指で混ぜる 雲は実験からの煙 燻らすうてな

一番深いクレーターから皮の弛ませた打楽器の耳鳴り

憑かれる粘ついた奇心 黄金に変えるコンパスの円
何を想い馳せよう 開拓できない秘密基地 月埃がコンタクトレンズと目の間に
激痛を走らせる それでも四囲は冷ややかに裏の顔を見せない
裸眼のぼやけより レンズは外れてくれない 容赦もなく フラスコを揺らす

月中枢までのトンネルから重複する 身に覚えのない幻覚

見たくも感じたくもない 戦慄く滞る 錬金術の節穴
頭が弱い 奇心の調べが甘い 祈りを吐き違える邪悪な息

何を想い馳せよう 黄金に変わらない月に
中枢までのトンネルを掘って 古からトンネルを掘って
そんな姿見せたら 何を想い馳せれようか

蛋白のみでエネルギーを摂るマギな血の光が皮膚に透き通す
そんな姿見せやがって
そんな姿見せやがって

記憶を磨り潰すネクタルは準備出来ているのだろうな

何れ 中枢から軋み垂れる
奇心の頭の弱さの所以
錬金術 阿呆に舌打しても 姦しい



自由詩 錬金術一線を掘る Copyright 朝焼彩茜色 2013-08-19 23:41:45
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