毟られる
こうだたけみ

落下傘背負った兵隊さん
山の向こうに落っこちた
毎度のことと知ってはいるが
待ち人 急ぎ 匍匐前進

リズム乱れて数こなす
森の真ん中狼煙立つ
満更嘘でもないらしい
町人 全部 足並み確認

遅れていけないわけは何
音が途絶えたわけは何
貴方に私がわからない
応えるまでにいくらもない

厳戒体制兵隊さん
谷の中にも落っこちた
水と気泡が混じっているが
正真正銘 引き上がる

夏の終わりに兵隊さん
行ってきますと落っこちた
毎度のことと知ってはいたが
実際 見ると 毟られる


自由詩 毟られる Copyright こうだたけみ 2013-08-14 17:19:07
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